受験者急増の人気資格?ITパスポート試験を知ってますか?
みなさんは「ITパスポート試験」という試験をご存じでしょうか?
ITパスポート試験は経済産業省主催の情報処理技術者試験と呼ばれる試験の一つであり、公式WEBサイト(https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/about.html)によると、
「ITパスポート試験は情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験」
とのことです。
情報処理技術者試験にはどのような試験があるのか
ITパスポート試験は情報処理技術者試験の中の1つの試験、と言いましたが、では情報処理技術者試験には他にはどのような試験があるのでしょうか。
ここでは、IPA(情報処理推進機構)のWEBサイトの画像を参考に、説明したいと思います。
※IPA試験区分一覧( https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html )から引用
上記の図の通り、情報処理技術者試験にはITパスポート試験を含め、計12の試験が存在します。難易度的には一番下に位置し、いわゆるITについての入門的な位置づけの試験となると考えてもらえれば良いかと思います。
最近は受験者数が大幅に増加している?
ITパスポート試験ですが、どうやらここ数年でかなり受験者数が増えているようです。IPAが公表している資料によると、ITパスポート試験が開始された2011年には受験者数が15,470人だったのに対して、2020年の受験者は131,788人となっており、その数はなんと8倍以上!!
ちなみにITパスポート試験自体は2009年から2011年まではPBT形式で行われており、他の試験と同様の春・秋の年2回の試験実施となっていたが、2011年11月より、CBT方式に移行することで受験日がより柔軟に設定され、受験しやすくなったという経緯があります。
あと昨今のDX推進ブーム?により、様々な企業がIT人材育成のためとして、企業内でITパスポート試験の受験を推奨する流れも出てきているようで、その影響もあって受験者数が増えているのではないかと思います。
ITパスポート試験に合格するとどんなメリットがあるの?
ITパスポートの公式サイトには合格のメリットについて、以下のように記載されています。
- メリット1 試験勉強を通じ、幅広い分野の基礎知識が取得可能!
- メリット2 組織のIT力向上に!コンプライアンス強化に!
- メリット3 就職、進学等で役立つ国家試験
(参考) https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/merit.html
ITパスポート試験は国家試験ではあるものの、特に独占業務があるわけでもないので、この資格を取ったからと言って、何かができるわけではありません。
しかし、目まぐるしく進化していく様々なテクノロジーをキャッチアップしていくために、ITパスポート試験を通して学習することで学べることは非常に多く、今後ITを本格的に勉強する人がその基礎固めとしてITパスポート試験の勉強をして試験を受けるのはとても有用であると思います。
ITパスポート試験を受けたほうが良い人とは
私個人の考えとして、ITパスポート試験を受けると良い人を挙げてみました。
- 高校生・大学生(情報系以外の学部・専攻でITに詳しくはないけど興味がある人)
- IT以外の仕事をしている人
- 今後ITの仕事へのキャリアチェンジを考えている人
ITパスポート試験は「ITの資格試験」として考えた場合には、難易度的にはかなり低めです。そのため、情報系の学部等で専門的に学んできた人からすると簡単すぎるかもしれません。(このような人はいきなり(基本情報技術者試験から受けることをお勧めします)
文系の学部出身で、そんなにITに詳しくはないけど、少し勉強しておいたほうがいいかな、くらいの感じの方が受けてみるといいレベルの試験です。
あと普段はIT以外の仕事をしている人についても、ITに関する用語を知ったり、システムがどのような仕組みで動いているのかを知るきっかけになるので、このような方にもお勧めです。
あと、現状ではITとは直接関係のない仕事をしている人が、キャリアチェンジとしてITの分野に転職したいなどと考える場合、まずは基本的な知識を押さえるためにも、ITパスポート試験を受けることは、基礎固めとして有効だと思います。
ITパスポート試験では具体的にどんなことが問われるのか
ITパスポート試験では、具体的にどのような問題が出題されるのでしょうか。公開されているシラバスを見ると、各試験区分ごとに「業務と役割」、「期待する技術水準」が定められています。ITパスポート試験については、次の通りとなります。
業務と役割
職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識を習得した者であり、担当する業務に対して情報技術を活用し、次の活動を行う。
①利用する情報機器及びシステムを把握し、活用する。
②担当業務を理解し、その業務における問題の把握及び必要な解決を図る。
③安全に情報の収集や活用を行う。
④上位者の指導の下、業務の分析やシステム化の支援を行う。
⑤担当業務において、新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の活用を推進する。
こんな感じです。・・・ちょっと抽象的でなんかよくわかりませんね。。
期待する技術水準
職業人として、情報機器及びシステムの把握や、担当業務の遂行及びシステム化を推進するために、次の基礎的な知識が要求される。
①利用する情報機器及びシステムを把握するために、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、情報デザイン、情報メディアに関する知識をもち、オフィスツールを活用できる。
②担当業務を理解するために、企業活動や関連業務の知識をもつ。また、担当業務の問題把握及び必要な解決を図るためにデータを利活用し、システム的な考え方や論理的な思考力(プログラミング的思考力など)をもち、かつ、問題分析及び問題解決手法に関する知識をもつ。
③安全に情報を収集し、効果的に活用するために、関連法規、情報セキュリティに関する各種規程、情報倫理に従って活動できる。
④業務の分析やシステム化の支援を行うために、情報システムの開発及び運用に関する知識をもつ。
⑤新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をもつ。
上記に書いてある通り「・・・コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、情報デザイン、情報メディアに関する知識をもち、オフィスツールを活用できる。」と書いてある通り、ITに関して広く浅く学ぶイメージになります。
試験の情報について
試験の実施方法・試験日程について
ITパスポート試験は「CBT(Computer Based Testing)方式」で行われます。
CBTとは、全国の試験会場(テストセンター)のPCを利用して実施するテストです。
試験日程についてはITパスポート試験の公式WEBサイト上から会場ごとの試験日を確認する必要があります。
※試験会場・受験日時は、試験日の3日前まで変更を行うことができます。
いかがでしょうか。もしご興味を持たれるかたがいたら、試しに受験してみると良いかと思います。
ITパスポート試験については、試験内容や勉強方法に関する記事も別途、書いていきたいと思います。
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