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中規模以上の組織がDXを進める上で考えるべきこと

組織におけるDX推進やデータマネジメントに関するコンサルティングをやってる立場から、中規模以上の組織(社員数として500人以上を想定)でDXの推進を行う上で重要だと思ったことをまとめてみることにした。

目次

本記事の前提

DXは組織の規模によって取り組み方が大きく異なる。
本記事で触れている内容としては以下の前提で書いている。

  • 中規模以上の事業会社(非ITの業種)を想定
  • 組織内に内製部門なし
  • ITは情シス経由でITベンダーに依頼

目的を明確にすること

ある程度の規模の組織がDXを進めるとなると、多くの場合で本来の目的を見失いがちである。多くの組織において、「とりあえずDXがブームだからDXをやろう」などという、目的が明確になっておらずに仕事のための仕事になってしまう。

DXとは何か、そもそもDXの定義とは何か、と言う点について解釈は色々あるが、あくまで 根幹としてあるのは

「デジタルを活用して組織のビジネスをより発展させる」

という点においては多くの人が同じ考えであると思う。

組織の規模が大きくなればなるほど、様々な部署やチームが関わることになるため、やるべきことや考えなければならないことが増えていくが、あくまで「なぜDXの取り組みをしているのか」という点に向き合い続けることを忘れずに進めることが重要である。

DXの一歩としてまずは業務改善関連から進める 

一般的な組織におけるDXは主に業務改善と新規事業の2つである

業務改善について

基本的には既存業務をITなどのテクノロジーを活用して、より効率的に進めるための仕組みづくりを行うものである。主な対象業務といては以下のようなものである。

  • 基幹業務を行う上でのオペレーションの改善
  • 組織のデータ活用など

新規事業について

自社の中で 新しい取り組みや 例えば デジタルを使った取り組み 今までは IT や テクノロジーを駆使していなかった会社が新規事業として テクノロジーを以下に使ってそれを自身の事業にどう取り組むか そのような取り組みのことである

例えば、以下のようなものである

  • 既存業務を元にしたデジタルコンテンツの開発・配信など

おそらく 多くの会社にとっては DX という言葉は 業務改善的な側面で使われてるケースが多いと考えられるため 業務改善の観点で整理してみる

業務改善観点でのDXについて

DXと聞くとどうしてもITの話のように聞こえてしまうが、実はIT以外に関する取り組みの方が多い

DXで実現すべきことはあくまで現場のアウトプットに関するものであるため、対象となる事業部門の課題や業務の理解が欠かせない。さらには会社全体はもちろん、それぞれの部署やチームのミッション・ビジョンを明確にするとともに、それらを組織全体で共有しあうことが重要である。

部署・チーム内のミッション・ビジョンの明確化

ありきたりではあるが、まずは自身が所属している部署・チームの役割を明確にするところから考える。役割と言っても、部署やチームの担当業務内容を整理すれば良いというものではない

その部署・チームが会社に必要である理由、さらには今後組織において部署・チームが存在することによって組織にどのような貢献ができるのか、と言うレベルで明確にするとともに、他部門や組織全体に共有する必要がある。組織の規模が大きい場合、組織で考えると抽象度が高まってしまうため、部署やチームで考えるのが良い。

ありがちなのが、組織としてのミッションは定められているのに部門でのミッションがない、みたいなケースが意外と多かったりする。そのため、もし部門としてのミッションがない場合は改めて話し合って決めるとともに、組織内や関連部門とも周知しておきたい。

現状とあるべき姿とのギャップを把握

部署・チームのミッション・ビジョンを明確にした上で、現状の部署・チームにおける業務とのギャップを把握して、それを埋めるためには何が必要かを整理して、さらにはどのように実現するかのイメージを明確にすること

ギャップ部分の解決方法を模索

上記の過程で出てきたギャップ部分について、解決方法を模索する。注意すべきは、DXとしての取り組みであっても、必ずしもITで課題解決をする必要はない。

また、部署・チームとしての既存の業務が他部署向けのアウトプットを含む場合、そのアウトプットの妥当性を自部署ではできないケースも少なくない。

中には改善すべき業務として捉えられていた業務がそもそも、現状の組織において不要である、と言ったケースも少なくない。

そのため、自部署で理解できていないことや不明点なども含めて常に他部署を含む関係者にも定期的に共有するとともに、人的リソースや生産性を加味した上で最適な解決方法を選ぶのが良い。

必要に応じてITベンダーの選定

ギャップの解決方法として何らかのITソリューションを利用した方が良い場合、社内で開発リソースがない場合はITベンダーに任せることになるため、ITベンダーの選定に入る。「いきなりITベンダーへ相談」みたいな会社もたまにあるが、本来はこの段階で初めてITベンダーとやり取りをすることになる。

これが著者が考える、中規模以上の事業会社でDX推進をする際に必要となるポイントである

もちろんこれが絶対的な正解と言うつもりはなく、会社にあった最適な進め方をすれば良い

ただ、あくまでDXにおいてITやテクノロジーと言うのは最終的な実装段階に必要となるものであり、そこまではあくまで自社の業務や課題と向き合って、あるべき姿と現状のギャップを把握し、それを前向きに改善し続ける意識を持つことが大前提であることを忘れてはならない。

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この記事を書いた人

JTCでデータエンジニアっぽいことをしています。仕事ではGoogle Cloud、GTM、Google AnalyticsやKARTE、Datahubあたりを触っています。
本ブログではGoogle Cloudやデータエンジニアリング、たまに趣味などの記事をアップします。

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